パパのオーボエ日記

「オーボエ吹きになれるかなぁ!」

備忘録 2003年 第1部




【2003年1月〜】
 3日。年末28日から2日までスキーに行っていて、久々のオーボエである。
 最初、30分くらいで、くちびるが疲れて音が出なくなった。吹いた感じも違和感が強く、なんとも変な感じであった。
 で、1時間くらい休んで、再度、練習を始めると……まだ、なんとなくぎこちないが、 エチュードとコレルリはなんとか年末の感じで吹くことが出来るようになってきて、ちょっと、ホッとする。

 5日。昨日といい、今日といい、練習の途中で眠くなってくる(^^;) どうも、スキーの疲れがボチボチ出ているようで、年寄り臭い(涙)
 年末に、削った、59〜63番のリードをボチボチし上げている。 59番はどうにも響かない。これは、これ以上やっても無駄のようだ。 60番は音色はともかく、リードになりそうであるが、まだちょっと重いような気がする。 61番は先を薄くし過ぎて裂いてしまった。 62・63番は、いい感じになりそうだが、まだ重い。
 54番は、もしいいリードができなかったときのために、本番用にとっておくことにした。 60番を実戦配備する。

 6日。寒い。あまり寒いので、石油ファンヒーターをガンガンつけている。
 60番のリードで練習を始めるが、あまりにも音がペーペーなので先端をカットしたら、 まったり重くなった。でも、56番でもまったり重いので、これはファンヒーターのせいかもしれな。
 何となく重苦しい吹奏感のままであるが、練習はいろいろできた。
 コレルリのジーグであるが、マイナスワンCDのやつは滅茶苦茶早い。平均すると105位はある。 で、これに耳が慣れると80位では別の曲になってしまうので、95位で練習する。これだと、軽い雰囲気はのこる。
 自分的には、あまりにも独りよがりな解釈であるが、 踊りを想像できないほど器楽的に早く舞曲をやるのは嫌いなので、 95は軽さがあって舞曲である限度のような気がする。
 中のGHCがうまく音程が取れない。(逆のCHGだとそれ程ひどくないのだが……) Bが低く聞こえる。 Bを高くするとGCが高くなりすぎる。コントロールが難しい。
 でも、しかし、リードも楽器も重く響かなくなってきた。 恐るべし、石油ファンヒーター??

 7日。マイナスワンCDでコレルリのプレリュードを練習する。
 どうも、最初の2段の音程が合わない。苦手なはずの後半の方がぴったりおさまる(^^;)
 ところで、マイナスワンCDのピッチは440であった。恐るべしアメリカ。

 8日。コレルリの入ったCD「イタリアのオーボエ協奏曲集/ウォード/シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア/キャムデン、ガードウッド(ob)」 というのを購入した。やはりジーグは105位の速度であった。このくらい、早い物なのだなぁ。
 この速度では、絶対に吹けないので、なんとか95で吹けるように頑張ることにする。
 昨日のプレリュードのCDとピッチが合わなかった件、60番のリードのピッチがちょっと高いようで、5 5番だとちゃんと吹ける。オーボエの(リードの)ピッチというのは、音程は簡単にグチャグチャになるのに、 いろいろの音量でいろいろな音の高さで吹けるポイントなんだと実感する。

 9日。リード60,62,63番の修正をする。……修正をして、練習できずに終わってしまった。
 おまけに、うっかり先生に修正して頂いた56番を削ってしまいペーペーにしてしまうし、 殆どできかけていた62番の先端を裂いてしまうし……最悪の日であった。
 マイナス・ワンCDや先日買ったオーケストラスタディーCDで聞けるJohn MackやElaine Douvasの息遣いの分かる録音でのオーボエの音は、実に軽く豊かに響いている。 どちらもアメリカンのリードでロレーということで、当方の先生のスタイルである。
 あのイメージで楽器を鳴らすにはどうすればいいのだろうか……今のリードでは駄目な気がして、練習する気力が無くなってしまった。
 あれは、軽く発音するリードが必要なように思ってしまうのだが、あたかも軽い息で発音しているように聞こえるけれど、ものすごい圧力をかけているのであろうか? 
 ああ、オーボエがうまくなりたい。

 11日。昨日、久々にコンサートに行った。(練習はお休み) 楽しみにしていたオーボエは別の方であった。 音が、ものすごい軽いというか葦笛のようであった。こうゆうのはアリかなぁと思ったが、そういえば、ホリガーも……。
 いろいろなオーボエの音色を聞いて、自分の好きなのが、少し見えてきたような気がする。
 今日の練習は、午前中ゆっくり休めたせいか、比較的調子がよかった。
 リードであるが、もっとハートとバックの削り方を会得しなければいけないようだ。 また、Tipの▲のまわりの薄くする部分の先端より根本のサイドに神経を使うべきのように思う。 それと、一気に軽くしようとせずに、慣らしに吹き込んでから休んでは薄くして、また吹き込んでは薄くするというほうがいいようだ。 さらに言うと、調子の悪いときは、リードを削らない方が良いと思う。

 13日。昨日も今日もリードをいじくりながらの練習で、ちゃんと練習できていない(^^;
 59,61,63番が駄目になってしまった。55番も割ってしまってボツ。 53番の先を切って復活させて、あと現役は60,62番のみである。 体調もいいしエアコンの部屋での調整なので、少し重いかもしれない。
 ナイフがちゃんと切れると、リード作りはうまく行く。うまく行かないときは、ナイフが切れていない、目が見えていない、体調が悪い、etc、(^^;

 14日。今日はオーボエがものすごく軽く感じる日である。3連休で体の調子がある程度いいのだろう。 重いと思っていた53番が発音はいいし音もいいので練習に使ったら、1時間半でバテた。やはり少し重い……というか、唇の根性がたらないようだ。
 62番は、軽すぎてペーペーである。先を少し切ればいいのだろうが様子見である。
 60番は、音はそこそこだが重い。というか、ケーンがまだ頑張っている感じである。 今は削らずに吹き込みをしてから削った方がいいように思う。
 練習曲は、スラーとスタッカートの息の使い方がわかったような気がした。でも、これは、体調とリードの調子によるものだと思う。 コレルリは、指が相変わらず回らない。これは、ひたすら練習するしかない。 プレリュードは76、ガボットは80、ジーグは95が目標である。

 15日。60番のリードで練習を始めたら1時間でバテてしまった。で、いい音で鳴っていたのに、つい60番を削ってしまった。 ちょっと軽い音の吹きやすいリードになった。
 息の入れ方であるが、なんというか、上唇と下唇に均等に圧力がかかるように吹き入れるといいように思う。 そして、唇は、意識的には巻き気味になっている。(実際はどうかわからないが?)
 上唇が前に出てしまうと、もう、アンコントローラぶるである。
 指は、昨日ほど回らなかった。2オクターブキーを押したじょうたいからはなした状態に移行するのに指がうまく連携してくれない。
 先生に練習法をたずねてみようと思う。でみ、やっぱり、付点かなぁ。


【1月16日】
 今年の初レッスンである。先生のお宅についてオーボエを吹きはじめるが、うまく鳴ってくれない。 ここ2日間軽く鳴っていたリードであるが、重くてフッと吹き込む感じができない。
 まず、何時ものオーボエを鳴らす練習をする。1オクターブの下降音階である。 まず注意されたのが、いい音でならすようにということである。
 ビブラートというか、楽器の鳴らし方というか、はっきりいい音が鳴るようにするのである。 ある程度やっているつもりであったがまだまだ足りないようで、オーバーめにやるとそれでいいとおっしゃった。
 それと軽いタンギングで発音してからいい音が出るまでの時間を短くするようにとのこと。 で、いい音は、やはり圧力を上げた状態なので、最初からやるとタンギングが大きい音を出してしまうので、 発音は軽いタンギング(圧力もひくめ?)でして、すぐに圧力を上げて細かいビブラートをかけて楽器を鳴らすのである。
 続いて、下降音階で安定した息の流れで吹けるようになってきたので、一つひとつの音が同じ音色、音質、音量で鳴るように、 唇や息を微妙に調整するようにとおっしゃった。どんな楽器もそれぞれ癖があって、同じ息を流していてもキーによって音色、音量が違うことがあるので、 それをそのつど唇などで微妙に修正するようにとのことである。これもリードがうまくくわえられているときは、ある程度コントロールできるようになりつつあるので、 見ていただくと、それでいいとのことであった。

 それから、カエルの歌をやった。ドレミファミレドである。これをスタッカートやレガートや一音いちおんを息でディミネントしてとめるやり方などで、 アーティキュレーションを変えて練習し、先生と2重奏をした。音程がうまくコントロールできず、いろいろやった後、先生と合うようになってきた。
 カエルの鳴き声のド、ド、ド、ドも音に表情をつけて吹くのを教わった……。

 練習曲に入る。メトロノームの練習をしていなかったらインテンポで吹けなくて、うまくいかなかった。 楽譜が2重に見えて目がよく見えていない。仕事の後に大津まで来るのは少し付かれるようだ(^^;  アーティキュレーションをいろいろ見ていただいて、もう一度やることになった。

 コレルリは、ジーグを見ていただいた。最初、何とか95くらいで(よれよれだが)最後まで吹けた。
 で、問題点は、やはり3連符の最初の音にアクセントをしてすぐにディミネントするという基本的なことができていない。 昨日くらいは少しできていたのだが、これは、自分の場合、まだまだ、リードの状態に左右される。 今日は、リードの発音が重く圧力をかけるとすぐに下げられない。
 このアーティキュレーションができていないと、ものすごく走って聞こえるとのことである。ホントだ。
 あと4分音符の長さとかを注意された。フレーズによって違っていたりして……どうも、まだ、理解できていない。 先生が悪い見本として私のまねをしてくださるのだが……で、確かにそのように吹いていると感じるのだが…… そのおかしいアーティキュレーションになれてしまって、正解がどうなのかわからなくなっているような気がする。
 先生の教えを思い出しながら、CDを聞いてイメージを作らなければと思う。

 最後にリードを見ていただいた。62番を修正していただいた。先を薄くしすぎてチーチーした音が混ざっていたので、 カットされて、ちょいちょいとされたら、なんと、吹きやすいスムーズな音のリードになった。 今回は、62番をあまりむちゃくちゃ薄くしていなかったので、先生の修正後の音もいい。
 しかし、なぜにあんなに素晴らしいリードになるのか! もっともっと修行せねばである。


【1月17日〜】
 17日。今日は、圧力が上がらなかった。しかし、短い時間ながらママとピアノあわせをした。 プレリュードは何とかなりそうだが、あとはなかなか指が回らない。
 先生に修正いただいた62番をじっくり眺めていると、 どうもTipの背骨が削ってあるような気がするので53番を修正すると発音が軽くなった。これはいいかもしれない。

 18日。久々に最初からリードを一本荒削りした。仕上げる時間がなかったが、Tipの背骨を薄めにすると最初から軽い状態で鳴る。
 練習の方がは、あまり時間がなかったが、一応やった。ピアノあわせをするが指を動かすのがやっとで、リズムは乱れるし、 アーティキュレーションはクチャクチャである。 こういう練習は、あまりよくないかもしれない。

 19日。午前中もう一本リードを削り、昼から修正する。今日のも昨日のも早い段階から軽く鳴り出す。
 やはりTipの背骨部分の削り方が今までたりなかったようで、クローもノイズもある程度調整できるようになってきた。 Tipの先を薄くして何とか軽くしていたのだが、これだとぺーぺーになるばかりであった。 しかし、Tipの背骨の削り具合で軽くなるので、 これによってハートやバックを削ったときの反応が分かりやすくなり、全体の響きの調整ができるようになった。
 ハートの削りで、GやFやBあたりの音が圧力によってくもるのが調整できる。
 また、バックの削り具合で、全体のピッチや、低い音と高い音のピッチのバランスが調整できることが分かった。  同じ圧力で中のC、F、上のCあたのピッチがそろうとものすごく吹きやすい。 これに茂木さんのGGCテストあたりをすれば、使いやすいリードが見えてくるように思う。
 音質に関しては吹き方もあるのでこれからの勉強であるが、リード作りに関して一歩進めたような気がする。
 吹き方であるが、最近合唱の発声で考えている頭蓋骨の中心にリードがあってそれを軽い息でならす感覚とおなじで、 その位置に響きを集めるとオーボエの音もよくなるような気がする。
 家の中ですら、部屋による響きによっていい音で鳴るポイントが違うので、これがホールや、 またはデッドな部屋でどう変わるのかなかなか難しい問題ではあるが、 それでも何か共通のポイントがあるはずだと思うのである。
 今日仕上げたリードは64、65番とする。但し65番は根本が割れているようなのでいつまでもつかである。

 20日。今日は雨である。オーボエが異常に重い。我慢して64番で音階練習するがなかなかつらい。
 現役の60番と雨天用にとってあった56番が軽かったが、最初、どちらも開きがなく息が入らなかったので使えなかった。 で、60番をモールクリーナーを入れて指でちょいちょいと押さえると開きがでて吹けるようになったので練習曲をするが……今一であった。
 その間ずっと水につけていた56番がいい感じで鳴りだしたので、ピアノあわせをする。
 いい感じで合うところもあるが、だいたい指が回らない(^^;  なんか、一人で吹いているのと合わせて吹いているのとで、ものすごくリズムの感じが違っておもしろい。 一人でつまんなかったところがよかったり、いい気持ちだったところが駄目だったり、いや、楽しいものだ。
 リードを一本削るが、最初から薄くしすぎたのか、そういうケーンなのか(以前にもあった)クローがBより上がらない。 最初からクローが低いリードは結局うまくできないので、すぐに削るのをやめた。

 21日。今日は、圧力が上がらなかった。基礎練習は何とか重いリードでやったが、コレルリは60番を使った。
 スラーのアティキュレーションで息をフッと入れたり引いたりするのは、軽いリードがコントロールしやすい。 軽いリードで、もっと鳴ってくれるといいと思うのだが、これはこんなんで音が通るのだろうか。

 22日。今日もリードが重かったので64番を少し削って練習する。もうTipに削るところはないように思うのでハートを削った。 クローが下がり音の締まりがなくなったので、先端を切ったら……もとのもくあみほど重くなっていないが(^^;
 練習の方はボチボチやっている……というか、ぼちぼちである。 娘がバイオリンのレッスンの作文で「いくらやってもできないが、ある日突然できるようになる」 と書いているが……そうなってほしいものだ。

 23日。楽器を全体調整してもらおうと連絡するが、2月中頃まで予約でいっぱいだとか(^^;  で、3月の初めにしてもらうことにする。その週は出張もあったりで1週間オーボエが吹けなくなることになるのだが……工夫のしようがない(T.T)。

 24日。今日はめちゃくちゃ体調が悪かったのに、吹き出すと圧力が上げられる。腹式呼吸がちゃんと機能しているようだ。
 それと、楽器が最近にしては比較的軽い。どういうわけか、先生に修正していただいた62番は最近重めだったのだが軽く響いてすばらしい。 外は雨で、湿度は高いはずだが64も65もそれほど重くない。が、さらに65を薄くする。 64はなぶりすぎてへんになってしまった(^^; Tipのかたちの作り直しである。
 ……練習の方は頑張るのみである!

 25日。64番を修正しながら練習すると……なんか、ものすごくよくなった。
 薄くしすぎた先をカットして、先が薄くなりすぎないように注意しながら均等に▲の周りの部分を薄くして、 いい具合にサイドのわくを薄くして、ハートとTip、ハートとバックのさかいをなめらかにしたのである。

 26日。今日はあまり時間がなかったので昨日の64番で45分ほどメニューをはしょって練習した。64番はいい感じだ。

 27日。午前中、古いのを含めてリードを修正しながら、コレルリの息づかいとか指の難しいところ(のみ)さらった。
 リードがいい感じになると、息づかいがものすごく楽になり、アーティキュレーションがしやすくなる。 息づかいが楽になると、指が楽になる。オーボエってのは、リードが命だ。
 リードの修正で、ハートとバックのさかいを少しなめらかにすると、非常に反応がよくなる。 これで、先端を薄くしすぎないですむので、上のCあたりのチーチー音がなくなり、音色も安定する。 ただ、上のD以降が少し重くなるので、その辺のバランスが難しいようだ。
 音色がヌボーっとしたときは、先端を切るか、再度のふちを小さくすると、音に芯が出てくる。
 何となく、仕上げのコツがわかってきたような気がして、いい気分である。 といっても、それが本当にいい音なのかは、よくわかっていないように思うが(^^;
 午後は糸巻きをした。ベルトロの10.5mm/0.60mmをRDG#1でシェープしてラウビンの47mmに全体長73.5で10本糸巻きした。 何本か、半巻きほどチューブより長く巻かなければ閉まらなかったのが残念であるが……まあ、うまく巻けたと思う。(かな?)

 26日。夕方リードを1本削った。雨で湿度が高いのを忘れていて、クローがいい感じになるまで薄くしたら……楽器に付けたらチャルメラになっていた(涙)。
 それと、昨日糸を巻いたのをよく調べてみると2本が大幅に糸を巻きすぎていたし、2本が一巻き多かった。鉛筆の印を見ながら巻いているのだがどうしてこうなるのだろう??
 練習は、楽器が重くてなかなか気分がのらなかった。音階練習を始めるがうまく鳴ってくれず、ピロピロやっているだけで練習にならない。
 最初60番は安定せず、つかいものにならなかったのだが、水をたっぷり吸わせるとよくなった。 それでピアノあわせを30分した。

 27日。 1本リードを削ったが、仕上げまで行かなかった。これは、もっと調子のいいときに仕上げることにする。 絶好調でないときになぶったリードがよかった試しがない。
 練習は、今日、プレリュードを録音してみたらあまりのひどさに泣けてきた。使ったレコーダーは音が悪いので、 バイオリンの先生の模範演奏をとってもひどい音になるそうなのだが(^^;
 そういえば、必至で吹いてばっかりで、楽器を響かすという感じを頭ではわかっていても忘れていたことに気付いた。 どうも音階練習を降下だけでなく上昇降下にかえたあたりから、ちょっとおかしくなりだしたような気がする。 でも、降下だけだと指が一方通行になるし……いや、努力あるのみだ。

 29日。夕方、リードを削るがTipを薄くした段階で時間切れであった。
 夜、練習していても頭がボーっとするので、ピアノあわせだけをした。 へんだと思っていたら11時頃から体中が痛くなって、寒気がおそってきた。 風の引き初めかと抗生物質を飲んで寝たが、夜中までうなされた。

 30日。微熱があるが、とにかく、練習する。
 コレルリのピアノ合わせ、腹式呼吸がままならないので立ってやるとブレスがものすごく楽だったが、指を間違えやすい。 これからは、立って練習することにする。

 31日。微熱が続き、腹の具合も悪くなってきて、練習せずに寝る。

 1日。今日も微熱が続くのに、何かと忙しい。
 Boston Recordsに申し込んだ「Marcel Tabuteau Lessons BR1017」 がもう到着! びっくりである。聞いてみると、すごい! すごい! これがアメリカンスタイルの原点のかたのレッスンである。
 今の段階で自分に一番勉強になったのは、ふつうに吹いた音が音楽性のある音に変化していく様である。 これで、リードの削り方の目標みたいなものが見えてきてうれしい。ふつうに吹いたときのおとがああいうので、こんな音楽表現ができるのかとびっくりである。 あまりに衝撃に、しんどいのに楽器を出してきて、64番の▲の周りを薄くしたら同じような種類の音になったのでおもしろかった。 しかし、65番は、同じような雰囲気にはならなかった。

 2日。今日も微熱が続き、下痢がさらにひどい。楽器を練習するほどの体力はないのだが、 ボーっとしているのにはちょっと元気だったので、久々にオーボエを分解して、トーンホールの掃除して油をさした。 いつもおもうが、これをやるとキーが軽くなっていい感じだ。 吹奏感は……今の体調ではどう変わったのかわからない。

 3日。風邪の方は少しましである。しかし、練習時間があまりとれない。
 久々に練習曲をやるが指がぼろぼろである。情けない。
 コレルリは、プレリュード、ガボットは、今までで一番よかった。 1日に修正した64番のおかげである。しかし、64番、1日の時よりチリチリした音が入り、フォルテがでにくい。 でも、このほうが扱いやすいので、本番はこの方向にリードを仕上げれば良さそうだ。
 今、新しいリードは、荒削りが終わったのが3本あるので、これを仕上げていくしかない。

 4日。体調は昨日とかわらずである。
 65番のリードで練習を始める。少し重いので、Tipを削ろうかハートを削ろうか迷ったが、▲の外側を薄くした。 そして▲の根本の背骨も薄くした。 音色がボワーッとしたので、ハートのサイドをわずかに削って引き締めた。 少し粘りがでたが、今日の時点では、なかなかいいリードになったような気がする。
 音階練習をして、エチュードをして、ピアノ合わせをはじめたらママが次女に呼ばれてバイオリンのレッスンである。
 途中で洗面所にも何回か行って……はやく元気になりたい。

 5日。練習をはじめてすぐに、上唇の皮がむけて、痛くてリードをかんでいられなくなった。
 基礎練習は何とかしたが、ピアノ合わせは中止である。


【2月6日】
 朝起きても、唇の状態はよくない。オロナインを塗ったり、薬用リップを塗ったりして、なんとか夜には痛くない状態になった。
 リードは64と65番で迷ったが、64番に決めて鳴らし出す。音色はともかく、軽い状態でなってくれるので助かった。
 最初、先生が一定の音を出されて、自分が下降音階をして和音の音色を教えてくださった。 自分の耳には、ハモっている状態なのかよくわからない。合唱のハモリとは全く印象が違う。 それと鳴っている音が自分の音か先生の音かも区別がつかないので、はっきり言って全くよくわからない。 ただ、先生がこれがハモっている音だとおっしゃったときは、音が豊かになり、押さえている指に音の圧力を感じた。

 練習曲を見て頂く。雑にならないようにゆっくり吹いてみた。また、何時ものように、苦手な運指を付点やアクセント位置を変えて練習してくださった。 リードが軽いので、いつもよりは、アーティキュレーションがやりやすい。 それでもというか、だから、息のアップ・ダウン、唇のオープン・クローズを的確にやって、コントロールしなければならない。
 一小節の間に、レガートでクレッセント・ディクレッセントをする練習では、後半の頭を頂点とするより、前半の最後の音を頂点とするようにとのことである。
 今日は、なんとか、4曲あげていただいた。次は、23番からである。 この練習曲は30番まであり、それがすんだら Wiedemann にしようかと以前おっしゃっていたのだが、 次は F. Flemming 60 Ubungsstucke fur Oboe の2本のオーボエのためのをしようといわれた。 こちらの方が、一曲の長さが短いそうである。それはありがたいし、先生との2重奏は、ものすごく勉強になる。

 コレルリは、ジーグから見て頂いた。指の苦手なところを見ていただき、アーティキュレーションを見ていただき、クレッセント・ディミネントの表現を見ていただいた。
 一番悪いのは、あせって走ることだ。わずかでも心がせくと、息づかいもアーティキュレーションも狂ってくる。
 といって、落ち着いてしまうと送れてしまう。気持ちをインテンポにしなければである。

 今日のリードは、自分としてもものすごく吹きやすいのであるが……音の方はあまりよくなかったようである(^^;  ま、しかし、吹けるのがせんけつ問題だ。


【2月7日〜】

 9日。7日から練習は毎日しているのだが、とくにかわったことはなく、とにかく習熟にはげんでいる。
 今日は、雨で湿度が高い。
 リードであるが、先週荒削りした5本のうち2本がちょっと重いがいい感じになったので66、67番とした。

 10日。昨日のリードが、葦くさくてひどい音である。それを使って練習をするが、どちらも使物にならない。いやはや、雨の日はリードを仕上げないほうがいいようだ。
 軽く削って、66番は何とか使物になりそうになった。また、昨日はまだ重すぎて使えないと思っていた1本がよかったので68番とした。

 11日。昨日の68番は、重いがいいリードのような気がする。気持ちよく、練習しできた。
 夕方、67番の先を切って仕上げてみたら、音はそこそこになったが、ピッチが低い。 わずかに幅を狭くしてみたが、あまり上がらなかった。すこし、オーバーラップを付けてやると、ピッチは合ってくるのだが、もとに戻ろうとして、不安定である。
 やはり、最初のバックとハートの削りは、厚いめにしておくべきだ。

 12日。68番で練習曲をやって、コレルリのピアノ合わせをするが……ピッチが低い!  暗くていい音だと思っていたのだが、倍音が少なすぎてピッチが低く聞こえる。
 66番は、葦くさい音で使う気がしない。67番は、それほど重くもなく、いいのだが思いっきり早い息を入れてやらないと鳴らないしピッチが合ってこない。
 先生に修正していただいて、その後、重くて使えなくなったので、軽くナイフを入れた63番がいい感じであった。
 吹いていて、うるさいように思う倍音は、ピッチ感には非常に大事なようだ。チューナーの読みだけでは、ピッチはわからないものだと改めて実感した。

 13日。66番と67番のリードは、状態がころころ変わって、安定しない。
68番は、ピアノで息の圧力を下げすぎると失速するのだが、圧力さえ上げていればガボットでもピアノで吹ける。 問題は、ジーグで、スラーの後の音の圧力を抜きすぎたり、低い音で油断すると発音しなくなるが…… 音程も安定しているし、これを吹き込んで発表会本番に使えればと思う。

 14日。今日は、あまり時間がないので軽く練習曲をやって、ピアノ合わせをする。
 が、途中で唇がばててしまって、練習にならなかった。ちょっと疲れ気味のようだ。


【2月15日】
 発表会前ということで、先生にピアノ合わせを見ていただく。 今日は、先生のご都合で、自宅まできていただいた。
 出だしのソフトタンギングの練習→タンギングの練習をした。タンギングによって、舌のリードに当てる位置を微妙に変えるとのこと。 いろいろやっていると、ものすごく上手にできる舌の当て方がわかってきた。 これは、リードが必要とする圧力などによって微妙にかわってきそうだ。 いつも同じことをしていないで、その都度工夫しなければならないようだ。

 プレリュードは、音程のおかしいところをなおしていただいた。 いつも同じ音程で吹いていたので、間違って覚えてしまっていた(^^;
 それと、曲の要所要所にヴィブラートを入れる練習をする。なかなか、きれいに入らない。 細かく入れると、振幅がなくなってしまう。
 ガボットは、スタッカートの感じをさらっていただいた。 スタッカートして、滑らないように、要注意である。
 ジーグは、これは、難問山積である。テンポが速くなるとアーティキュレーションがうまくできなくて、逆に重く聞こえてしまう。 軽く聞こえるように吹ける一番速い速度を見つけなければ。それと、指使いをもっと練習せねばである。
 曲の終りの方の、ブレスの位置を変更した。そうでないと、そのフレーズの終りの方の休符を休みすぎる。
 リードは、最初、66番で練習した。途中に68番を見ていただいた。 音色はましなのであるが、ちょっと重いリードであったが、Tipの一つの面の片方の隅っこが少々厚かったようで、先生がそこを数回削られたら一瞬にして軽くなった。
 それにしても、先生の音色との違いが歴然であった(涙)。
 本番は、音色を気にするより音程しっかりせよとのこと。当然であるが……音色も気になる。
 尚、発表会後は、ルイエのハ長調をするこになった。


【2月16日】〜
 16日。昼からリードを削る。一応使えそうになったので69番とするが、もう一歩よくないので削っていると、ペーペーになってしまった。
 その後、以前に先生にほめていただいていた44番を調べてみると▲が大きく厚いのに軽い。 今吹いてみると音色が濃厚な感じである。ただ、もうへたった感じで使えないが……。
 で、思い切って67番を44番のかたちに修正してみると、音色が濃厚になった。 が、今一、響きも軽さも足らない。なにより、ピッチが少し低めである。 今回の発表会で使ったらいいのかどうか、判断を早急にしなければならないが、魅力を感じる。
 発表会後は、このスタイルのリードを研究しようと思う

 17日。リードを1本荒削りする。69番を▲が厚くなるように再修正する。
 67番で練習するが、暗くてうっとうしい感じである感じである。

 18日。昨日のリードを仕上げて70番とするが……音は暗いが、響きがない。
 69番も音はダークだが響きがない。67番も今一響きがない。44番は、もっと響きがあったように思う。
 44番風に修正したリードは、どうも厚み、Tip、ハートの長さがだいぶ違うようだ。▲が厚い分、他のバランスが重要のように思う。
 発表会前に、いらぬ色気を出したものだ(^^; しかし、音色だけでなく、こちらのリードの方が音程が取りやすいということもあってのことだったのだが……。
 明日からは、心を入れ替えて、最後の仕上げに努力する。 リードは、68番を中心に、湿度が多いときは62番ということで練習に専念する。

 19日。天気予報によると、発表会当日の降水確率は60%である。
 雨用にと古いリードを出してきて水を吸わせてやるが、開きがでなくて使い物にならない。  しかし、先生の修正してくださったリードの良さが、やっと分かるようになってきた。 響きというか、倍音の出方が全然違う。軽く作ってくださっているので音は明るいが、 素晴らしい。
 今日の練習は、最初からピアノあわせである。できるだけ、ピアノの音とリズムを体になじませると、 音程も安定するし、走るのの防止にもなる。 何とか、当日は、ちゃんとふけるといいが(^^;
 あがいても、生涯学習レベルで終わるのであろうか。 なんとか、音楽ができるようになりたい。

 20日。今日は雨である。古いリードを調べていたら64番が少しチーチーした音が入るが軽くて響きもいいのを発見!  バックとハートの間をなめらかにして、先端を紙ヤスリに3回ほどこすりつけたら、すごくよくなった。
 本番が雨の日なら、リードはこれで行こうと思う! (でも、前々回の練習で、先生はこのリードをいいとは言われなかったなぁ(^^;)
 練習は、今日も最初からピアノ合わせのみである。 明々後日が発表会だというのに、まだまだだ。 ま、発表会に出ると決めた日の状態を思うと、よくここまでたどり着けたと言うことだろうが(^^;
 すべては一歩から。当日の成功を祈ることにしよう。

 21日。あまり天気がよくない。リードは、62番で決める。
 ピアノ伴奏に合わせて、練習する。

 22日。雨。今日は、ゆっくりとピアノ合わせを通しで4回やる。 明日も雨なら62番のリードがちょうどいい。


【2月23日】 初めての発表会
 昨日とかわって、朝から雨が上がった。午前中はまだ湿度が高い。
 9時30分に、北文化会館の創作活動室に向かう。待合室で、緊張しながらリードを湿らせ、指を練習して10時10分のリハーサルの順番を待つ。
 この小さなホールは、すごくよく響く。
 最初のプレリュードの最初の一音から気持ちよくホールに響いていく。 いくつかチェックポイントをこなして、また、やり直して無事に10分のリハーサルが終了する。
 このように、ホールじゅうに音が響いてくれることが、なんとも気持ちよく幸せである。

 いったん、家に帰って、体をほぐし休息と取る。

 12時30分にホールについて、着替えをし、一部の演奏をリラックスして聞く。 出番は、二部の4番目である。休憩に入ったので、控え室に行って、楽器を暖めてリードを湿らせて軽く音を出す。 その後、控え室に誰もいなくなったので、ママとピアノ合わせをする。今までで一番いい感じで合わせられる。 なんとか、この調子で本番ができればいいのだが……。

 とうとう、順番が回ってきて、 「オーボエを始めて1年と8ヶ月。生まれての初めての発表会。最初の第一歩です」のアナウンスで舞台へ。
 いや、しかし、やはり本番は魔物でした。
 プレリュードを吹きはじめて、3つ目の音がひっくり返ってしまって、まず失敗(^^; 次のフレーズは走ってしまう。 ガボットの前半はまずまずだったが、後半は、トリルとところで指を間違え、繰返しの後に、めちゃくちゃ間違えてしまった(涙) ジーグは、音が抜けたら、指が滑ったり……っと、まあ、止まらなかったものの……悲惨であった。

 振り返るに、最初からブレスが浅くなっていたし、唇も堅くなっていたようだ。
 それと、テンポが緊張でだいぶ上がっていたように思う。

 音色は、ビデオを見ると、葦っぽいサックスという感じである。 生で聞けば、それなりに伸びやか、晴れやかであるかもしれないが、オーボエの甘い音色とはちょっと違うかもしれない。
 吹いているときは、明るいながらも気持ちよい音ではあったのだが(^^;  自分の耳をどう育てるかが、どう音作りをしていくかであるように思う。

 本番前が最高の状態で90点としたら、本番は55点くらいだろう。
 来年は、練習で120点。本番で80点ぐらいをとれるように頑張ろうと思う。

 それでも、なんでも、最初の第一歩は踏み出したのである。\(^o^)/


2003年 第2部
に続く。


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